AKELARE/San Sebastián郊外

サン・セバスティアン市街地からタクシーで10分のアケラレ。ミシュラン3ツ星。The World's 50 Best Restaurants では圏外。ムガリッツにおいて、The World's 50 Best Restaurantsは前衛的すぎて私には向かないんじゃないかと感じてきたので、圏外というのは逆に好印象。
ワオ!ビスケー湾を一望!立地としては一番素敵!
緑もたくさんです。
まるで秘密基地のよう。
我々を含めて数組が開店5分前ぐらいに到着していたのですが、完全に締め切られており、先に入ってラウンジで待つということはできません。
入店した瞬間、おおー!とつい唸ってしまった。これまで行ったことのあるレストランではトップクラスの眺望!逆に、海を見渡すことができるので、夜だと真っ暗で何も見えないかもしれません。昼も夜もお金は変らないから、お昼に来るほうがいいかも。
テーブルには盆栽ふうの何か。バスクの料理人は日本文化への憧れが非常に強い。
海を表現したアミューズ。全て食べることができます。エビの殻や身を粉上にした砂。左から牡蠣の香り豊かな葉っぱ、ムール貝で作った岩、ウニのスポンジ、エシャロットとコーンの豆、海草を天ぷら(「天ぷら」と本当に言った)にした珊瑚。どれもきちんと美味しく驚きました。
パンは左のナッツが入ったものが秀逸。
私はエビを
ホーロー鍋の目の前調理系。
うーん、美味しいには美味しいんだけれども、目の前で調理する意図が見えないし、盛り付けもイマイチだし、背ワタとか丸見えで食べる気失せる。きちんとキッチンで作ってき給え。
連れはフォアグラを薄く敷き詰めた皿に多種類の葉を散らしたサラダ。OCとのこと。
私の温前菜はフォアグラに「塩」「胡椒」をありえないほどぶちまけたもの。そんなわけないだろうと思いながら食べると、「塩」に見立てた砂糖であり、「胡椒」に見立てたクリスピーな何かでした。味は凡庸。タネも透けて見えたので、無駄な皿です。
連れの皿はジャガイモで作ったオブラートの中に様々なハーブを詰め、温かいダシをかけるとふわりと膨らむという演出。に、エビにアンコウ。ダシは和食っぽく美味しかったですって。
脚はおせんべい状態。天ぷらにインスパイアされてるんだろうなあ。
チャングロ蟹はその身のジュースが豊かで旨味たっぷり。美味しかった。左側はお米のパスタ。
連れはタルタルにポテト?
同じポテトに
イタリアンの突き出しででてきそうなパリパリのやつ。タルタルは「ビストロで食べるようなものをただ単に細かくしてるだけ」とのこと。ポテトやパリパリについては「意味不明」とのことです。辛口ですね。こわいこわい。
さらに連れの皿。よりいっそうの和風ダシに「何の変哲もない白身魚」。こわいこわい。
「UMAMI」と称した一皿。カサゴに旨味、すなわちカツオダシや昆布ダシ系のソース(?)。悪くはないけれど、わざわざスペインにまで来て食べるものじゃない。
とろろ昆布まで使っちゃって、日本人にとっては失笑モノ。エルブリで都こんぶを使った皿が賞賛されたため、このようなヘンな流れができてしまったのかもしれません。
食べれるパリパリに鎮座したタラ。
トマトソースの上に乗っけて
じゃぶじゃぶじゃぶ。美味しくない。そもそも見た目も悪いし白身魚を連チャンで提供する無神経さに腹が立つ。
連れにはオートミールというかおかゆというか、何かドロドロした液体に
再びの白身魚。私の感想と同じく「なぜこんなにも白身魚?」
私の皿が完成!どうだ!まずそうだろ!
連れのメインはイベリコ豚のロースト。「くせー超まじー。おめー全部食え」と、ほとんど私が食べることになりました。確かに臭い。ムガリッツの豚のしっぽとまでは言わないけれど、臭い。骨は砂糖で作ってあって、食べれます。それだけだけど。
私はハト。茶色のソースはアルサックを彷彿とさせ、ゲゲゲです。しかしココア味で覚悟していたよりは悪くなかった。しかし、良くもない。ハト自体は美味しいですが、ソースが全然です。
私のデザート一皿目は、左から味のしないチーズ、普通のぶどう、記憶にないチーズたち。0点!
連れはココナッツのサクサクとしたムースに
カスタードっぽいソース。彼女はココナッツが好きなので満足していた模様。
彼女のデザート2皿目は割れたヨーグルトのビンから飛び出した的な。ロゴもビンも砂糖で作られており、食べることができる。もうこの「食べることができる」っての、止めにしませんか?1回出せばもう充分。ツブツブはディッピンドッツ的なものではなく、「ただのヨーグルト」とのこと。こわいこわい。
私のデザート2皿目は葉っぱに見立てたチョコ。これだけ。もううんざり。不二家のショートケーキのほうがまだ嬉しい。
小菓子は至って普通です。

うーん、The World's 50 Best Restaurants圏外のくせに、なかなか前衛的でした。なぜミシュラン三ツ星なのか。そしてどうして世界の美食家がサン・セバスティアンを目指すのか。もう、料理のことよくわからなくなってしまいました。

洋食の絶対的な美味しさの限度は20,000円なのかもしれません。ここが美食の限界。これを超えると、あとはアートだとか意外性だとか小説的だとか、そういう世界になってくる。ちなみに和食の美味しさの限界はまだ知らないっす。逆に20,000円を超えないとまともな和食店は無いという印象。

そういう意味で、洋食というものは割安でお得なジャンルだと再認識させてくれたレストランでした。一般的にフランス料理とか言うと高級なイメージが先行しますが、全くそんなことはなく、我々日本人のテロワールを追求する料理が最も高額なんですね。なるほどね。

論理が飛躍しすぎですが私の中では繋がっている。


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